「目の前にある景色をよく見る。生態、生業、社会、文化、全体を納得のいくように描写する。景観区を地図におとす」──広範なフィールド調査、景観学的手法、共同研究者との対話により世界単位論を磨き上げていった高谷好一(1934-2016)の研究の軌跡をたどる一助として、フィールド調査の記録を中心に開示する試みです。

 地質学から地域研究へ、さらには自分学へと研究者として独自の足跡を残した高谷氏。このデータベースに収載されているのは残された膨大な記録の一部にすぎませんが、高谷氏の研究への姿勢が見事にあらわれています。このアーカイブがフィールドワークとは何かについて考える、またその魅力にふれるきっかけとなることを願っています。